結論から言うと、1食あたりの金額だけなら自炊が安く、かかる時間まで含めると宅配弁当が逆転するケースが多いです。この記事では「金額」「時間」「捨てている食材」の3つの物差しで両者を比較し、いちばん食費が下がりやすい併用パターンを紹介します。
1食あたりの比較(金額だけ見た場合)
| 方法 | 1食あたりの目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 自炊(使い切れた場合) | 約300〜500円 | 食材をムダなく使えた前提 |
| 自炊(食材を余らせた場合) | 約500〜800円 | 廃棄分が実質コストに上乗せされる |
| 冷凍宅配弁当 | 約600〜800円+送料 | サービス・注文数により変動 |
| 外食・出前 | 約900〜1,500円 | 比較の基準として |
※金額はいずれも一般的な相場の目安です。単純比較なら自炊の勝ちですが、この表には2つの落とし穴があります。
落とし穴①:捨てている食材もコストである
自炊の実質コストを押し上げるのは、使い切れずに捨てる食材です。「安いから」と買った野菜を傷ませれば、その分は食べていないのに支払ったお金になります。「自炊=安い」は食材を使い切れる場合にのみ成り立ちます(自炊歴と廃棄率の関係を示す出典・計測記録は当サイトにありません)。
落とし穴②:調理・買い物の時間も無料ではない
自炊は調理と片づけで1食15〜25分、加えて買い物が週30〜60分かかります(内訳は次の表)。宅配弁当は温めて5分です。この差を残業・副業・休息に充てられると考えると、金額差の数百円は割に合わないことがあります。疲れ切って外食や出前に流れるくらいなら、宅配弁当のほうがトータルで安いという逆転が起きます。
比較の前提|何を「コスト」に含めるか
1食の表示価格だけで比べると結論を誤ります。実際に発生している支出を並べました。
| 項目 | 自炊 | 宅配弁当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 食材・商品代 | 250〜400円 | 600〜800円 | 表示価格 |
| 捨てた食材 | 発生する | ほぼゼロ | 自炊の見えないコスト |
| 送料 | — | 0〜1,000円/回 | 定期契約で無料の場合あり |
| 買い物の時間 | 週30〜60分 | ゼロ | 移動込み |
| 調理・片づけ | 1食15〜25分 | 5分 | 洗い物含む |
※金額・時間は一般的な目安です。実際の数値はレシートと自分の生活時間で確認してください。
公的統計で見た「一人暮らしの食費」の基準線
比較の物差しとして公的データを置いておきます。総務省統計局の家計調査(家計収支編)2025年(令和7年)平均では、単身世帯の「食料」は1か月平均49,321円。30.4日で割ると1日あたり約1,600円です(結果の概要PDF・表Ⅱ-1-2)。この「食料」には自炊の食材費だけでなく外食・惣菜・飲料も含まれます。
| 1日あたり | 1食あたり(3食換算) | 意味 |
|---|---|---|
| 約1,600円 | 約540円 | 外食・中食を含めた平均的な水準 |
つまり1食540円前後が損益分岐点の目安です。宅配弁当(600〜800円)はこれを上回り、使い切れた自炊(300〜500円)は下回ります(1日3食で均等に割った単純計算で、実際の食事回数や間食の有無で上下します)。自炊が「安い」と言えるのは食材を使い切れたときだけ、という結論は統計側から見ても変わりません。
実質単価の計算式|表示価格だけで比べない
宅配弁当は送料と最低注文数で実質単価が大きく変わります。次の式で揃えてから比較してください。
- 宅配弁当の実質単価 =(本体価格 + 送料)÷ 食数(初回限定価格は除外し、2回目以降で計算)
- 自炊の実質単価 =(食材費 + 捨てた食材の金額)÷ 実際に食べた食数
自炊側の分母を「作った食数」ではなく「実際に食べた食数」にするのがポイントです。ここを正直に数えると、体感より高い数字が出ます。
- 1か月の食材費を合計する:レシートを食材費・中食・外食の3区分に分けます(食費は月いくら?)
- 実際に食べた食数で割る:これが自炊の実質単価です
- 宅配弁当は送料込みの総額で割る:1食あたりの表示価格だけでは比較になりません
いちばん安くなるのは「併用」
結論:週に数回の自炊+残りを宅配弁当・冷凍で埋める併用が、金額と時間のバランスで最も食費が下がりやすい形です。全部自炊が最安なのは計算上の話で、続かなければ元に戻ります。
- 自炊する日を先に固定する:食材の購入量が安定し、使い切れる範囲に絞れるので廃棄が減ります
- 疲れている日は最初から宅配弁当の日と決める:外食・出前への流出を防ぐのが、金額に一番効きます
- 宅配は在庫として置く:買い物に行けない日の保険になります
- まとめ買いで1食単価を下げる:6〜8食単位で注文すると送料込みの実質単価が下がります
- 外食は削らない:ここを削ると満足度が下がり、反動が出ます
この「作る日と作らない日を先に決める」設計は週3自炊の始め方で詳しく解説しています。
出典
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅱ-1-2(単身世帯の「食料」=月平均49,321円、消費支出は月平均173,042円):PDF/家計調査(家計収支編)調査結果
よくある質問
結局どちらが安いですか
1食の表示価格では自炊です。ただし捨てた食材と時間を含めると差は縮まります。金額だけで比べるより、続けられる形を選ぶほうが年単位では下がりやすい、という関係になります。
時間をお金に換算すべきですか
換算の要否は人によります。ただし買い物と片づけの時間が負担で自炊が続かないなら、その時間には実際のコストがあると考えるほうが判断しやすくなります。
宅配弁当の送料はどう見ればいいですか
1回の注文食数で割って1食単価に上乗せしてください。少量注文ほど実質単価が上がります。
自炊の時間はどこまでコストに数えるべき
買い物・調理・洗い物・献立を考える時間の合計です。献立を考える時間は見落とされがちですが、実際にはここで止まる人がいちばん多い工程です。
週に何食を宅配弁当にすると得ですか
金額だけなら0食が最安です。ただし「疲れて外食に流れる回数」が減るなら、週1〜2食を宅配弁当に置くほうが月合計では下がることがあります。自分の外食回数を数えてから決めてください。
宅配弁当を選ぶ基準は
冷凍/常温、1食の上限額、冷凍庫の空き容量の3つを先に決めます。特に冷凍庫は先に埋まるので、注文前に内寸を実測してください(入らないときの対処)。
食費の内訳はどう記録すれば
食材費・中食・外食の3区分に分けてレシートを仕分けるだけで十分です。細かい家計簿は続きません。
まとめ
- 金額だけなら自炊、時間込みなら宅配弁当が有利になりやすい
- 捨てた食材と調理時間を無視した「自炊は安い」は片手落ち
- 最安を狙うなら週2〜3自炊+宅配弁当の併用。外食への流出を防ぐのが鍵


